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市民文化ホールパイプオルガン

はじめに

パイプオルガンの歴史は、はるか紀元前にまでさかのぼります。古代ギリシャでは儀式に、ヨーロッパ・キリスト教会においては神を賛美する楽器として発展してきました。パイプオルガンは、鍵盤を弾くことによって、一本一本のパイプにモーターで起こした風を送り込み音を出す楽器です。また、演奏台の横に並んだストップを組み合わせる事によって風が送られるパイプを選択し、多彩な音を作り出すことが出来ます。

パイプオルガンの概要

大オルガン

大オルガン 大オルガン鍵盤
製作者 マルク・ガルニエ(Marc Garnier、France)
設置場所 小ホール[350席]
設置年月 1998年10月
様式 北ドイツの歴史的建造法に基づくバロック・オルガン
仕様 鍵盤段数:手鍵盤3段 及び 足鍵盤
手鍵盤数:54鍵(C~f3)
足鍵盤数:30鍵(C~f1)~平行型(フラット)
ストップ ストップ数:34ストップ

HAUPTWERK

  • Gedackt 16’
  • Prästant 8’
  • Rohrpfeife 8’
  • Octav 4’
  • Quint 3’
  • Superoctav 2’
  • Mixtur 5-10f.
  • Cornet 5f. [ab c1]
  • Trompete 8’

KLEINWERK

  • Gedackt 8’
  • Quintadena 8’
  • Prästant 4’
  • Rohrflöte 4’
  • Sexquialter 2f.
  • Waldflöte 2’
  • Quintlein 11/2’
  • Mixtur 5f.
  • Dulcian 8’

CONCERTOWERK

  • Bordun 8’
  • Blockflöte 4’
  • Traverso 4’[ab c°]
  • Nasat 3’
  • Flageolet 2’
  • Terzian 2f.
  • Regal 8’

PEDAL

  • Baß 16’
  • Octavbaß 8’
  • Gedacktbaß 8’
  • Principal 4’
  • Mixtur 6f.
  • Posaunenbaß 16’
  • Trompete 8’
  • Trompete 4’
  • Cornet 2’

ACCESSOIRES

  • Accouplement HW/KW
  • Tirasse HW
  • Tremblant doux à chaque clavier et pédalier
  • Tempérament baroque progressif Nr.11 442Hz[23℃]
  • Nachtigall
  • Zimbelstern

ポジティフオルガン

ポジティフオルガン可搬式の箱型パイプオルガン。4種類の音栓(ストップ)を持ち、様々な音色を楽しむことができます。主にバロック時代の通奏低音の演奏に、アンサンブル楽器として使われるほか、会衆讃美歌伴奏にも適した楽器です。繊細で愛らしい音色を持ち、宮廷や貴族の邸宅で使われました。

製作者 マルク・ガルニエ(Marc Garnier、France)
設置年月 2004年3月
仕様 鍵盤数:手鍵盤1段 51鍵
音域:C~d3 (440H時)
調律法 随時変更可能 可変ピッチ対応(415H、440H、467H)
サイズ 本体 560㎜×1130㎜×840㎜
椅子 430㎜×750㎜×570㎜
ストップ ストップ数:4ストップ

  • Gedackt 8’
  • Holzflöte 4’
  • Waldflöte 2’
  • Holzregal 8’

レガール

レガール15-17世紀に好んで使われた可搬式の小型パイプオルガンの一種。2つの「ふいご」で風を起こし、「リード」と呼ばれる金属片の震動体を短いパイプで共鳴させ音を出します。華やかな音色が好まれ、劇場や宮廷での舞踏曲の演奏に使われました。

製作者 マルク・ガルニエ(Marc Garnier、France)
設置年月 2001年7月
仕様 鍵盤数:手鍵盤1段 45鍵
音域:C,D,E,F,G,A,B,H,c~c (ショートオクターブ)
調律法 ミーントーン(中全音律)可変式
サイズ 本体 高さ820 長さ1280㎜ 幅840㎜
手動送風(ふいご)

盛岡市民文化ホールのパイプオルガンがCDになりました。

制作者

オルガン製作者からメッセージ

盛岡市民文化ホールのオルガンに会いにきていただき深く感謝いたします。このホールでの音作りにあたって、私どもはオルガンの響きやその特性をホールに最も適したものにすることが出来ました。
po_img この楽器は、当初からの方針によって、ドイツ・バロック音楽とその前後のレパートリーの演奏に最もふさわしいオルガンとして製作されました。ストップ(音栓)を適切に選ぶことによって、フランスの古いオルガンに特有の効果を生み出すこともできますし、演奏者の作品解釈に応じた様々な機能を好みによって選択することも可能です。
このオルガンに触れるたびに、演奏者は多様な音色の組み合わせを引き出すことが出来るでしょう。そこには、歴史的な名器からは必ずしも聴くことが出来ない響きもあるはずです。そして、聴衆と音楽の親密な空気をその場にいる人が感じるはずです。このホールが、そうした素晴らしい「一体感」を与えてくれることを、私たちは望んでいます。
このオルガンの製作に携わった「マルク・ガルニエ・オルガン社」一同、オルガンを愛する多くの皆様が、オルガン音楽に親しみ、幅広く利用されることを心から望んでいます。

マルク・ガルニエ

ガルニエ社技術者名

Gerald Cattin:組立
Fabien Wasner:組立
Ivo Garnier:組立
Itaru Sekiguchi(関口 格):組立、調律
Matthieu Garnier:組立、調律
Peter Meier:整音、調律
Marc Garnier:統括、整音、調律

マルク・ガルニエ

フランスのオルガン製作者。オルガン工匠クルト・シュヴェンケデルの許で4年間の修行を積んだ後、オルガン製作者の免許を取得。その後、北欧の製作技法を学ぶため北ドイツに赴く。南ドイツ・ハイデルベルクではクラヴサン(チェンバロ)の製作にも携わり、オルガンとチェンバロの製作者としてデビューした。楽器の構想から設計、製作の全般に携わり、オルガン製作の第一人者として、世界的に活動を展開している。日本では3タイプの回転式オルガン(東京芸術劇場)などの製作で知られている。

盛岡市民文化ホールオルガニスト

渋澤 久美

 フェリス女学院大学音楽学部器楽学科オルガン専攻卒業。同大学院音楽研究科修士課程修了。2002年、横浜みなとみらいホールのオルガニスト・インターンシップとして研修を受ける。また、国内外のマスタークラスなどで研鑽を積む。2006年より盛岡市民文化ホールオルガニストに就任し、主催公演での演奏、コンサートの企画、オルガン講座の講師など、オルガン音楽の普及と発展につとめている。これまでにオルガンを高橋靖子、宮本とも子、浅井寛子、武久源造、三浦はつみの各氏に師事。聖路加国際病院礼拝堂オルガニスト、日本オルガニスト協会、日本オルガン研究会会員。