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活動報告② 啄木と鉄道との縁・その2(2021.12.3.投稿)

啄木には、10歳上の長姉サダと8歳上の次姉トラ(とみこ)、そして2歳下の妹ミツ(光子)という姉妹がいます。実は二人の姉の夫たちはどちらも鉄道に関する仕事をしていました。

長姉サダは明治24年15歳で田村叶(たむら・かのう)と結婚します。叶は様々な仕事を経て、明治33(1900)年1月から日本鉄道株式会社の盛岡工場・塗装工手伝いとして働き始めます。盛岡工場は、車両や建築用具の修理が行われ、職員には盛岡市内の鍛冶工や製缶工(ボイラーを製作する作業の技術者)、塗装工などの技術者が採用されていたので、叶もそんな一人だったのでしょう。ちなみに、啄木は叶の盛岡工場就職に伴い、盛岡中学3年次から田村家に下宿で世話になっています(それ以前は母方の親戚宅*年譜 「啄木と鉄道」参照)。

 かぎりなき智識の欲に燃ゆる眼を 姉は傷みき 人恋ふるかと 歌集『一握の砂』所収歌)

大好きだった長姉サダらに見守られ、文学に恋愛にと熱中した盛岡中学時代の啄木。そんな懐かしい田村家での思い出を後に歌に詠んでいます。

*写真は、啄木の姉妹たち(明治34年)です。右から長姉サダ・次姉トラ・妹ミツ。(男児は長姉サダの長男)

【読み物】啄木鉄俱楽部~企画展「啄木と鉄道」連動企画~

 

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