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【事業報告】収蔵資料展「没後五十年 池田龍甫展」

令和6年3月23日(土)から6月2日(日)にかけて、盛岡出身の日本画家・池田龍甫の没後50年にちなみ、作品や遺品を展示する収蔵資料展を行いました。池田龍甫(1885~1974)は、大正から昭和にかけて優雅な女性や花鳥図などを描き活躍したほか、盛岡短期大学美術工芸科教授などをつとめ後進の指導にも尽力した人物です。
「没後五十年 池田龍甫展」の展示の一角
絵画作品では、古代風の衣装をまとった女性たちを描いた「歌垣人々」(扁額)、季節の花鳥を写実的にとらえた「百花」や「初夏」。郷里の風俗に関心が高まった晩年に描いた「明治橋と岩手山」(六曲一隻)、未完となった「山に雉」など展示しました。
画「初夏」(右)、画「花鳥図」(中央)、画「海に舟」(右)
画「百花」(左)、大下絵「歌劇聖地揺籃」(右)
画「明治橋と岩手山」(右隻)
今回は完成作品のほかにも第10回帝展入選作「歌劇聖地揺籃」と同サイズで作られた大下絵やスケッチブックなど、創作の過程を示す資料も出展しました。また、東京美術学校卒業証書や画学生時代のノート、戦後、日本画を指導した岩手県立美術工芸学校や盛岡短期大学美術工芸科の辞令、岩絵具や絵皿、印章など創作に使用した画材や道具など、さまざまな資料から龍甫の作品と生涯を紹介しました。
岩絵具や乳鉢など画材・道具類
来場者のアンケートからは「百花」や「花鳥図」などの作品はもちろん、画材・道具類を印象に残った展示に挙げる方も多く、じっくりと見てくださったことがうかがわれます。
「素晴らしい作品を見れて心が洗われるようでした」「なかなかこんな絵を見る機会が無いのですごく有り難かった」「県内で日本画の作品をまとめて見られる場所がほとんどないのでとても勉強になりました」といった感想をいただき、多くの皆様に池田龍甫とその作品について知っていただく機会となりました。
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